作品の中で描かれた小林多喜二

小林多喜二をテーマにした作品・評伝は数多くあり、既に読まれている方も多いかと思います。
   小林多喜二を調べていく中では、意外なところで多喜二の名前を見つけることがあります。また、「○○で多喜二の事が出ていた」という情報をいただくこともあります。
   ここではそれらの作品をまとめてみました。(中には間接的なものや”意外”ではないものもありますが、ご紹介させていただきます)
         
   

「母」
(三浦綾子著)1992年2月:角川書店、角川文庫
小林多喜二の母セキの波乱に富んだ一生を描いた長編小説。

小林多喜二が描かれた作品の中で、最も読まれているのがこの「母」ではないでしょうか。母の一生を描く事により、多喜二の短い生涯に膨らみがもたらされています。

「若い詩人の肖像」
(伊藤整著)1958年12月:新潮文庫、講談社文芸文庫
著者が自身の青年期を振り返って書いた自伝的長編小説。

小樽高商時代の小林多喜二と教授の大熊信行、そして彼等を見つめる著者の視点が描かれています。

「歯車」
(佐多稲子著)1959年10月:筑摩書房、佐多稲子全集9、佐多稲子・壺井栄集(講談社)等に収録
日本が戦争へと進みつつある昭和初期のプロレタリア作家の活動を描いた長編小説。

登場人物の名前は変えられており、多喜二は”小泉多嘉志”という名で登場します。
         
「巨構の殺意」
(海庭良和著)1989年7月:現代書林
小林多喜二と同時期の日本に起った史実を基に書かれたミステリー小説。

ストーリーはフィクションですが、小林多喜二をはじめ、実在の人物の名が多く登場します。

「昭和史発掘5」
(松本清張著)1978年9月:文春文庫
独自の取材と視点とで昭和史にスポットを当てたシリーズの第5巻。

《小林多喜二の死》では、芥川龍之介との対比、著者が多喜二の死を知ったときの事、多喜二の生涯などが描かれています。

「小樽の反逆」
(夏掘正元著)1993年11月:岩波書店
小樽高商軍事教練事件を中心に、大正末期の小樽の”まち”と”ひと”を描いたドキュメント。

《小樽高商と小林多喜二》には、高商での様子など、多喜二の人間性が描かれています。

「荻窪風土記」
(井伏鱒二著)1982年11月:新潮社、新潮文庫
著者をはじめ、多くの文人が集まった「荻窪あたりのこと」を描く。

多喜二の印象を「・・・古めかしく折目の正しい遣りかたが身についていたようだ」と綴っています。

「無名」
(沢木耕太郎著)2003年9月:幻冬舎
著者の父親について語ったノンフィクション作品。

父親がよく通っていた銀座の居酒屋で、お互い常連として親しくしていた文学好きの築地署の課長が2月のある寒い夜、店に現れ、「タキジを殺してしまった」と蒼くなるまで呑みつづけながらそう呟いていた・・・と描かれています。

「人を感動させる言葉」
(石原慎太郎監修)1969年:KKベストセラーズ
真実を伝える350の名文句集。

第2章「青春のことば」の《幸せになるための努力》に「闇があるから光がある・・・」が取り上げられています。

「一日一言」
(桑原武夫編)1956年12月:岩波新書
1年366の日々にゆかりのある人物の、すぐれた言葉をまとめたもの。

2月20日は、多喜二の「闇があるから光がある・・・」が収録されています。


※単行本、文庫本の形で発売された小説を中心に、多喜二の姿、言葉を取り上げられたものを掲載しております。評伝、研究書等は含めておりません。


[2004/11/24]
白樺文学館 - 小林多喜二の書簡 常時展示中

時代を撃て・多喜二