小樽商大で多喜二を研究する陳君さん、東京研修実施

中国・河北大学大学院を卒業し、小樽商科大学に「国際研究員」として来日している陳君(Chen Jun 24歳)さんの、白樺文学館多喜二ライブラリー主催の「東京研修」を修了しました。

陳君さんの来日は、2005年に河北大学主催で実施の「中国・小林多喜二国際シンポジウム」を縁に、中国・河北大学と日本・小樽商科大学との交流が深まり、かねて河北大学が希望していた同大学「国際研究員」を小樽商科大学が受け入れて実現したものです。その第1回として10月17日に陳君さんが来日し、小樽商科大学の授業に参加するなど3ヶ月の研修に励んでいます。

多喜二アジト跡周辺(麻布十番) 多喜二アジト跡周辺(麻布十番)
多喜二「党生活者」の舞台跡周辺(五反田) 多喜二「党生活者」の舞台跡周辺(五反田)
多喜二絶命の築地警察署前(築地) 多喜二絶命の築地警察署前(築地)

白樺文学館主催の東京研修は、神奈川、東京、千葉の1都2県にまたがって、11月7日から10日までの4日間実施されました。

前半を佐藤三郎多喜二ライブラリー学芸員の案内で、1930年に上京した小林多喜二ゆかりの「亀戸事件」の南葛地域、「オルグ」執筆の宿として知られる神奈川・七沢温泉の福元館を訪ね、「党生活者」の舞台である五反田・藤倉工業跡地、1932年の文化分野への大弾圧を機に地下活動を過ごした麻布十番・六本木界隈、「不在地主」を上演の築地小劇場跡地、特高に検挙され、拷問死させられた築地警察署などを文学散歩しました。後半を、渡辺貞夫白樺文学館副館長の案内で、白樺文学館の展示視察と当日の講演会に参加、スタッフとの懇親会等も実施、最終日の10日朝には手賀沼周辺を散策するなどしました。

多喜二労農葬を行った築地小劇場跡(築地) 多喜二労農葬を行った築地小劇場跡(築地)
「改造」肉筆原稿をめぐってのシンポジウム(横浜)「改造」肉筆原稿をめぐってのシンポジウム(横浜)
「文豪・夏目漱石展」参観(江戸東京博物館)「文豪・夏目漱石展」参観(江戸東京博物館)

面白白樺倶楽部でのスタッフとの懇親(白樺文学館)面白白樺倶楽部でのスタッフとの懇親
(白樺文学館)
クリックで拡大

また、11月8日には、パシフィコ横浜で開催中のDVD 版「<改造>直筆原稿の研究」(雄松堂出版)刊行記念のシンポジウムに参加。島村輝・女子美術大学教授の、多喜二と「改造」の関係、とくに同データベースにも収録された「工場細胞」執筆をめぐっての話などを聴講し日本近代文学研究の最前線情報に触れたほか、江戸東京博物館で開催の「文豪・夏目漱石展」なども参観し、多面的に日本文学の現在に触れました。

研修を終えた陳君さんは、「多喜二さんが歩いた道を実際に歩き、からだ全体でその世界を感じたほか、「改造」のシンポジウムに参加でき、いろいろと刺激を受けました。ご案内いただいた皆さんのご好意に報いるためにも、がんばりたいと思います」と語っています。

(2007.11.15 佐藤)

[2007/11/16]

白樺文学館 - 小林多喜二の書簡 常時展示中

時代を撃て・多喜二