小樽高商十一回卒業式

大正十三年三月十日 小樽新聞朝刊第三面

(記事本文と画像)

●小樽高商十一回卒業式
小樽高等商業学校第十一回卒業式は昨九日午前十時半より同校図書館に於て擧行、振鈴を合図に生徒卒業生保證人職員の順序に入場、中村教授の學事報告ありて 伴學校長よりより卒業生の總代町野二郎に卒業證書を授與、引續き學校長の来賓に対する挨拶、卒業生に對する告辞並に文部大臣祝辞代讀があり次で祝辞に移り 小樽佐柳市長、森同商業會議所會頭祝辞を朗読し、各地よりの祝電朗讀後、町野卒業生總代の答辞ありて同十一時半閉式退場したそれより別室楼上に於て来賓一 同へ立食の饗應あり記念の菓子折を呈し正午散会した、文部大臣の祝辞左の如し

祝辞
本日小樽高等商業學校の卒業證書授與式を擧行するに當り一言所懐を陳へて親意を表するは本大臣の欣幸とする所なり卒業生諸子、諸子は研?多年蛍雪の功を積 み今や本校所定の課程を卒へて各自其の志す所に向はんとす諸子の前途極めて多望なると共に其の責任の重且つ大なるものあることを記せざるべからず世界大戦 の後我が帝國が著しく國際上の地歩を高めたるは茲に細説を要せざるべし故を以て益々國力を充實し倍々國運を發展せしめて世界の世界の平和幸福の爲めに寄與 する所なかるべからず此の時に際し客秋大震火災の突發せるあり我が國民経濟の上に與へたる打撃決して微少ならず若し擧國一致し刻苦励精事を事とするにあら ずんば皆に其の創?を纏する龍はざるのみならず帝國の世界に對する使命を全うするを得ずしてその名誉と地位とを失墜するの?なしとせざるべし是れ正に國民 の一大覺悟を要するの?なり而して諸子が今よりして後従事せんとする所は國力の本源を培ひ國運の養ふ所以の至緊至要なる業務に属するをするを以て将来に於 ける帝國の隆昌は諸子の努力に待つ所極めて大なりと謂ふべし希くば諸子深く其の責務の重大なることを思ひ益々智徳の?養に努め其の職とする所に勉励し斯界 の發展に貢献して以て本校教養の趣旨に副はれんことを之を祝辞とす。

(※ 以上、新聞紙面に表示された文字より判読したものです。判読不明な文字は?としてあります)

大正十三年三月十日小樽新聞第三面
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(※ 画像は、国立国会図書館所蔵のマイクロフィルムより複写、引用)

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